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都会のオアシス「サッポロ広場」が育む、恵比寿の魅力

JR恵比寿駅東口から、動く通路「恵比寿スカイウォーク」を進んだ先には緑が広がり、落ち着いたまちの表情に出会える。恵比寿ガーデンプレイスを横に見ながら、くすのき通りに沿って歩くとたどり着くのは、サッポロビール本社前の「サッポロ広場」。約4,400㎡もの広大な庭園は、五感に響く都会のオアシスだ。

ひらめきが生まれるまち、恵比寿の開かれた庭

かつてヱビスビールの醸造所があったことに、その名が由来するまち、恵比寿。醸造所の跡地に誕生した恵比寿ガーデンプレイスは、東京都写真美術館や恵比寿ガーデンシネマ、ブルーノート・プレイスといった施設を擁し、周辺にもアートや文化を発信するギャラリーなどが点在している。日常生活のすぐそばに非日常的な愉しみがあり、散策するたびに新しい発見やひらめきが生まれるのが、このまちの大きな魅力だ。

恵比寿ガーデンプレイスを運営するサッポロ不動産開発は、時代と社会の変化を捉えながら、恵比寿全体をさらに魅力的にするためのまちづくりを推進している。恵比寿ガーデンプレイスと周辺とともに落ち着いた雰囲気を醸し出す、安らぎと緑があふれる街並みづくりも、その展開のひとつ。

1994年の恵比寿ガーデンプレイス開業当時からあるサッポロ広場は、周辺の緑地と一体となり、都会の真ん中に居ながらにして豊かな自然が感じられる、貴重な緑地だ。緩衝機能や連続性・凍結性を高める機能が期待されることから、令和6年度前期の環境省自然共生サイトの認定を受けた。

自然共生サイトとは、ネイチャーポジティブの実現に向け、民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域を環境省が認定する制度。芝生エリアを除いたサッポロ広場は、環境省の令和6年度自然共生サイト事業(前期)に認定。

生物多様性とコミュニティの活性化を意識した空間づくり

近年の気候変動に合わせ、サッポロ広場の農園は2024年10月にリニューアルを行った。耐暑性の高い熱帯地域の果樹やハーブを取り入れ、四季を通じて美観を維持。また、飛び石を配置することで、農園の中に入って植物と触れ合うことができるように設計されている。

夏から10月頃にかけて、生い茂る緑に彩りを添えるのがブッドレアの花穂だ。甘い香りから蝶が集まりやすいため「バタフライブッシュ」と呼ばれ、生態系のサイクル持続に寄与。SDGsで掲げられた目標15「陸の豊かさを守ろう」を実現している。

ほかの草木の花が少ない夏から10月頃にかけての長い間、円錐形の花を楽しませてくれるブッドレア(バタフライブッシュ)。甘い香りが、ポリネーター(花粉媒介者)である蝶や蜂を呼び寄せる。

さらに、食べられる植物を取り入れて空間をデザインする「フード(果樹・ハーブ類などの食べられるもの)スケープ(景観)」を導入。キンカン、イチジク、ビワ、ブルーベリー、ミモザなど、実や花のなる樹種を植え、農園を通じて、都心においても自然との共生を意識できることを目指す試みだ。

収穫時期だけでなく、色合いや効能などをアレンジし、訪れる人に景観としても愛される場所づくりをしている。秋に実りを迎えるのは、イチジク、柿など。(photo by Takuji Iigai)

サッポロ不動産開発とともに、まちづくりを通じた豊かな時間と豊かな空間を創造しているのは、篠崎ロビン夏子さんが主宰するGreen Neighbors(グリーンネイバーズ)。

「食べられる植物は、実の成長を見ることなどにより、季節の移ろいをいっそう感じやすいといえます。私自身、コロナ禍で出会ったアーバンファーミング(都市型農業)や、その後に参画したフードスケーピングのプロジェクトに感銘を受け、植物がどのように育つか意識をし、食べ物がどこからくるのかなどの発見が得られました」と語る篠崎さん。

心を解放する、植物と触れ合う時間

恵比寿に住む人、働く人、遊びに訪れる人のすべてに開かれているサッポロ広場では、1年を通して、さまざまなワークショップやイベントを行っている。「お子さんから年配の方まで、緑やその場にいる人々と自由に愉しんで関わる姿が、毎回とても印象的です」(篠崎さん)

2025年10月10日(金)には、恵比寿ガーデンプレイスにあるカフェ「VERVE COFFEE ROASTERS(ヴァーヴ・コーヒー・ロースターズ)」から出たコーヒーかすを使って、コンポストを作るワークショップを開催した。

「コンポストでできる堆肥は、植物の成長に役立ちます。育ったハーブはカフェで活用していただくなどコミュニティで連携し、その中で資源が循環するような流れを広げていきたいと考えています。さらには、生花を扱うショップや、微生物研究に取り組んでいるスタートアップ企業など、このまちに縁のある多くの企業や皆さまと、フードスケーピングに一緒に取り組める機会をもっとつくっていきたいですね」(篠崎さん)

カフェから出るコーヒーかすを活用したコンポストのワークショップ。

「2024年のリニューアル以来、約300名以上の方々がワークショップやイベントに参加してくださっています。今後も、都会の中で緑と触れ合って、癒されたり、日常の中での愉しみを感じたりしていただけたらと願っています。今ある資源を有効活用し、緑を通じた連携を育みながら、訪れる方々のウェルビーイングにつながる場をつくっていきたいです。また、緑の空間がある豊かなまちとして、恵比寿の魅力を知っていただけたらうれしいですね」(サッポロ不動産開発、サッポロ広場担当川口華七子さん)

2025年11月9日(日)には、緑とのつながりを深める、少人数制の散策ツアーを開催予定(参加費無料、英語対応可能)。サッポロ広場では採取した枝葉をミニブーケにし、アトレ恵比寿の屋上庭園を訪れて、季節の花・果樹にまつわるストーリーや、暮らしへの取り入れ方をガイドから教わる企画だ。申し込み方法と詳細は、Peatixで確認を。

2025年の4月と6月には、参加者が枝葉を剪定し、ブーケに仕立てるミニワークショップを開催し、幅広い年代の参加者から好評を博した。

日頃の忙しさから心身を解放してくれる、サッポロ広場をはじめとした恵比寿に広がる緑。気分をリフレッシュすることで、新たな発想が生まれ、明日への活力になる。地球の中での個人の役割について想いを馳せるきっかけにもなる、緑との触れ合いを求めに、ぜひ恵比寿のまちを訪れたい。

text:singt

※2025年10月24日現在の情報です。

恵比寿ガーデンプレイス サッポロ広場のご案内

※サッポロ広場のワークショップは、恵比寿ガーデンプレイス公式Instagramのストーリーズ (@yebisu_garden_place)、恵比寿ガーデンプレイスの公式HPのイベント情報などで公開いたします。
※サッポロ広場の農園・芝生エリアは、ワークショップ開催時以外、立ち入りはご遠慮ください。