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涼を呼ぶ冷たいスイーツを、恵比寿で味わう/フロムトップ、CHAP

まだまだ暑い日が続きそうな今年の夏。ほっとひと息つきたい時は、甘く冷たいスイーツとともにゆったりと過ごしたい。東京都写真美術館併設のカフェ「フロムトップ」と、注目の進化系かき氷が味わえる「CHAP」に、この夏のおすすめを聞いた。

1.フルーツの持ち味を生かした、フロムトップのパフェ&クリームソーダ

写真と映像に関する国内唯一の総合美術館、トップミュージアムという愛称で知られる東京都写真美術館(以下、写真美術館)。同館の1階、受付カウンターの奥に広がるのが、カフェ「フロムトップ」だ。

アンティーク調の椅子やモダンな照明などをミックスしたインテリアがおしゃれ。写真美術館を訪れたあとの余韻に浸れる、静かで心地良い空間だ。

 

恵比寿ガーデンプレイスのスタンド横丁エリア「ブリックエンド」側にも入口があり、美術館に入館せずカフェのみの利用もできる。

 

天井が高く、洗練された広々とした空間に、ナチュラルな家具や小物がやさしい温もりを添える。

フロムトップは、吉祥寺にある人気店「コマグラカフェ」の系列店。「写真美術館でカフェの出店の募集を偶然みつけて、2021年8月にフロムトップをオープンしました」と語る、店長の吉田恭子さん。

フロムトップと吉祥寺の系列店コマグラカフェの店長を務める吉田さん。

季節ごとにフルーツを変えて作る「季節のパフェ」は、フロムトップの看板メニュー。毎年夏になると登場するのが、白桃のパフェだ。白桃の白ワイン煮に紅茶ゼリーやミルクアイス、クランブル、カスタードを合わせ、フレッシュでジューシーな白桃と、カリッとした焼きメレンゲをトッピング。キュートなエディブルフラワーをあしらった、フォトジェニックな逸品だ。

生で使うもの以外は、どのパーツも手作りしており、お店の雰囲気さながらのやさしい味わいが口いっぱいに広がる。「合わせるパーツは甘さを強調せず、果物の持ち味が引き立つように計算しています」と吉田さん。

白桃のパフェ(1,500円)は、系列店のコマグラカフェでも人気のメニュー。

福岡県の山科茶舗から取り寄せた屋久島産和紅茶、山梨県のyoriによるグアテマラの深煎りコーヒー、ブドウ栽培から醸造まで行う山梨県の勝沼醸造の白ワインなど、ドリンクのメニューも充実。また、近頃、レトロブームで人気が再燃しているクリームソーダも必見!

真っ赤ないちごとエディブルフラワーが愛らしい、季節のクリームソーダ(900円)。

クリームソーダというとメロン風味のシロップが定番だが、フロムトップではフレッシュなフルーツを使用。この時期はいちごのソースに炭酸が注がれる。ミルクアイスと甘酸っぱいいちごとのハーモニーが楽しい。

写真美術館で開催された過去の展示図録を閲覧することができる。

ほかにも、カレーやルーロー飯などの食事や、チーズケーキ、プリンなどのスイーツ類もラインナップ。どの時間帯に訪れても、お腹と心を満たしてくれる。


「今年の初めには、オルタナティブな日本のバンド、Klang Rulerのメンバーによる弾き語りライブを店内で開催して、大変ご好評をいただきました。これからも、この空間を生かした展示や、写真美術館の展示と連動した企画なども計画できたらと考えています」(吉田さん)

2.一期一会の味に感動。デザートのような、CHAPのかき氷

年々、人気に勢いが増しているユニークなかき氷。2023年、東京・恵比寿にオープンし、2025年にリニューアルしたかき氷専門店「CHAP」は、独創性のあるメニューでファンを集めている。

ベースになるのは、ふわふわに削った氷。無垢な氷は、どんな食材とも調和する可能性を秘めている。

店主の中北若葉さんは、7年間、イタリアンやフレンチのシェフとパティシェとして活躍した経歴の持ち主。中北さんの妹が店主を務める東京・東日本橋の人気かき氷店「DEMEKIN」にも携わったことから、かき氷に魅せられたそう。中北さんの作り上げるかき氷はどれも、上質なレストランのデザートのようだ。

「かき氷は何にでもなれる可能性を秘めています。合わせる材料は、100%無添加であることを大切にし、果物や野菜は、旬の時期に食べるのが一番おいしいので、その時にしか作れない味を出すこともCHAPのこだわりです。食材の旬に合わせてメニューはどんどん変わります」と教えてくれた中北さん。

かき氷というとフルーツをイメージしがちだが、とうもろこしやトマトなど、中北さんならではの自由な発想で組み立てられる、野菜が主役のメニューも好評だ。
2023年に誕生したCHAPは、2025年、明るい光が溢れるスタイリッシュな空間に移転。暑い中、外で並ばずにかき氷を楽しめるよう、インターネットからの完全予約制となった。

この日のおすすめは「サマーピーチ」と名付けられた、フレッシュな桃をふんだんに使ったかき氷だ。カットした桃とペースト状の桃を合わせ異なる食感を生み出し、パルミジャーノチーズを使ったカスタードクリームのコクのある甘塩っぱさが見事に調和。大きな一皿でも最後まで飽きが来ない。

山梨、愛知、青森など、その時においしい桃を取り寄せて作った「サマーピーチ」(中サイズ、2,700円)。果物の旬が終わると終売するため、最新のメニュー情報はInstagramのオフィシャルアカウントを要チェック。

CHAPのこだわりは、味だけではない。テーブルにセットされているスプーンは2種類あり、その時の気分で好きなほうを使って食べることを提案している。

「用意する手間はかかっても、その分、お客さまにかき氷を最大限楽しんでいただけたら」と語る中北さん。

「手にした時と口に入れた時に温もりを感じる木製スプーンと、より冷たさが伝わる薄手の金属製スプーンでは、同じかき氷でも味わいが変わります。お出しするお茶も、緑茶とほうじ茶をお選びいただけるので、かき氷との調和を楽しんでいただけたらうれしいですね」と中北さん。

季節のメニューは常時3種類ほど。その中から2つ選んで、通常サイズの半分ほどの小サイズにすることも可能だ(ハーフ2種セット、3,000円)。

レストランで働いていた経験が、かき氷の組み合わせに生かされている。

旬の食材を使った、その時にしか味わえない組み合わせがCHAPのメニューの魅力だが、1つだけ通年提供しているのが、中北さんのスペシャリテ「egg」。

「egg」を盛る時にだけ使う、特別な器。

卵黄にブランデーを合わせたサバイヨンソースを繊細に削った氷で挟み、卵白のエスプーマ(泡)をたっぷり。香り豊かでカリッとした食感のカカオニブと、仕上げに散らすフランスの岩塩が絶妙なアクセントになり、一口ごとに思わずうなってしまうほど。

「egg」(2,100円、中サイズのみ)は、さまざまなテクスチャーの卵のまろやかさと、ブランデーやカカオニブの大人っぽい香りに、味を引き締める岩塩がマッチ。ベースになるソースは、塩ミルク(+100円)やラム塩ミルク(+200円)にも変更可能。なめらかな口溶けのアイスクリームのような、中北さんにしか出せない唯一無二のかき氷だ。

自由な発想のメニューのインスピレーションは、普段の暮らしそのものからだそう。「街を歩いていて、植物など自然のものを目にしたり、旬の素材からヒントを得たりしながら、その時期にしかつくれない味をこれからも大切にしていきたいですね」(中北さん)

※2025年8月20日現在の情報です。

text:singt
photo:Takuji Iigai

SHOP INFO

フロムトップ

スイーツ、ソフトドリンク類のほか、カレー、ルーロー飯などの食事やヱビスビール、ワインなどのアルコールも1日を通して楽しめる。木、金曜は20時まで営業。

場所:東京都写真美術館 1F
定休日:月曜(月曜が祝休日の場合はその翌平日。東京都写真美術館に準じます)
営業時間:火、水、土、日10:00〜18:00、木、金曜10:00~20:00
電話番号:070-8591-3730
店舗詳細:https://www.instagram.com/cafefromtop/

CHAP

一年を通して、厳選素材を使用したオリジナリティあふれるかき氷を提供する専門店。完全予約制のため並ばずに入店でき、Instagramでメニューを確認して、来店時にメニューをオーダーするシステム。

場所:東京都渋谷区 恵比寿1丁目23-17 善菜ビル5F
定休日:火・水曜日(変動があるため、詳細はInstagramを参照)
営業時間:11:00~L.O.14:00、16:00~L.O.20:00
電話番号:070-8448-6053
店舗詳細:https://www.instagram.com/chap_tokyo/