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恵比寿新聞社編集長に訊く、食の街・恵比寿のアイデンティティ

2024年8月23日(金)から9月1日(日)まで恵比寿ガーデンプレイスで開催される「YEBISU BEER HOLIDAY」。今回は9月に期間限定販売されるビール「燻(いぶし)」の樽生を先行して提供、さらにここでしか飲めない「Magic Holiday」や、恵比寿新聞社が主催している「ヱビスビールに合う逸品グランプリ」で受賞した店舗のキッチンカーがイベントに出店する。特別なビールが楽しめるだけでなく、恵比寿でいま注目されている食のカルチャーも感じられるイベントだ。今回は「逸品グランプリ」主催者である恵比寿新聞社の編集長・高橋ケンジさんに、恵比寿の街、食文化の魅力について語ってもらった。

恵比寿の飲食店が参加する「ヱビスビールに合う逸品グランプリ」とは?

恵比寿の街の魅力を発信する恵比寿新聞が主催し、今年で9回目を迎えた「ヱビスビールに合う逸品グランプリ」。恵比寿の飲食店が期間限定のヱビスと相性のよい料理を考案し、それを店舗で提供、一般投票でグランプリを決めるという取り組みだ。今年は4月23日から6月2日まで開催され、期間限定の「ヱビス ジューシーエール」と合わせた料理を考えるというのがお題だった。そもそもこのイベントはどのような経緯から始まったのだろうか。高橋さんはこう語る。

代官山やまびこの「馬刺」¥1,200、「九州産鶏モモの唐揚」¥750、「鰹のタタキ」¥1,000(8月27日まで出店)、肉ビストロHIGHTAILの「チリナチョス」¥950、「鴨胸のコンフィドライいちじくのソース」¥950など逸品グランプリで受賞したさまざまな飲食店のフードが限定ビールと共に楽しめる。

「恵比寿で130年以上の歴史をもつヱビスさんと、ビールとともに街の活性化をできたらという思いから始まりました。ワインは料理と合わせる文化が昔からありますが、ビールと料理のペアリングって、当時は唐揚げや餃子のようなアイデアしかなく、そこまでビールとのペアリングが主流ではなかったように思います。このイベントによって、料理人や一般の方にも、ビールと料理それぞれの相性を考えるカルチャーが恵比寿に根付いてきたのかなと思っています」


毎年、逸品グランプリの開催前には、料理人たちが集まり、お題となるビールの試飲と注ぎ方の講習が行われる。料理だけでなく、プロが注いだワンランク上のクオリティの限定ビールも楽しめるとあって、回を重ねるごとに料理人たちの間でも話題になっていった。配布されるイベントの冊子には、スタンプラリーのようにスタンプをためることができる。今年は過去最多の94店舗が参加をしているが、客の中には全店を制覇したという強者も。30店舗以上回るとYEBISU BREWERY TOKYOで行われるアフターパーティに参加できる。参加者同士の交流も楽しいひとときとなったという。

「YEBISU BREWERY TOKYO」でのみ味わえる限定ビール「Magic Holiday」¥1,200。日々の喧騒を忘れホッと一息つける大人のコク深さ、ほのかなチェリーの甘酸っぱさを感じる一杯。


「今回YEBISU BEER HOLIDAYに出店するキッチンカーは、逸品グランプリの上位6店舗。さまざまなジャンルの店舗が出店します。逸品グランプリは『ヱビス ジューシーエール』に合わせた料理でしたが、YEBISU BEER HOLIDAYで提供されるのはまた違った6種類の樽生ビールなので、逸品グランプリとは異なるメニューも登場しています。楽しみですね」逸品グランプリのようなイベントが実現できるのも、恵比寿は食が充実した街であるからこそ。高橋さんはこう語る。

「恵比寿は個人店の飲食店が多いんです。賃料も高いですし、渋谷ほどたくさんの人が来るわけでもないので、恵比寿で長く続いている店というのはすごく実力があるんだと思います。人気店の焼肉トラジも恵比寿出身ですし、ここで成功すれば他でも通用できること間違いなしですよ」

神田はカレー、新大久保は韓国料理など、東京にはそれぞれの地で有名な食文化があるが、個人店がひしめく恵比寿を代表するものといえば、高橋さんは何を思い浮かべるのだろうか。

「やはり恵比寿はビールの街だと思います。ヱビスビールという名前から恵比寿という地名になったくらいですから。トヨタのように地名からブランド名になることはありますけど、その逆というのは珍しい。観光客がブルックリンでブルックリンラガーを飲むように、東京に来たら恵比寿でヱビスビールを飲む、そんな街になるといいですよね」

8月23日から、YEBISU BEER HOLIDAYが開催中!

当日受付でも入場できるが、事前に席を確保可能なWebでの事前予約が安心だ。

街のコミュニティに欠かせないのが祭り。恵比寿駅前盆踊り大会と並び有名なのが毎年9月に開催される渋谷氷川神社例大祭だ。ヱビスビールを製造するサッポロビール株式会社と街の住民で結成された「あわえびす」では、この渋谷氷川神社例大祭や恵比寿駅前盆踊りなどで毎年生ビールを販売しその売上の一部を祭りの運営費として奉納するなど、古くから続く祭りの維持のための活動も行っている。現在ヱビスは祭りにとって欠かせない存在であり、恵比寿の一部とも言えるだろう。8月に開催されるYEBISU BEER HOLIDAYは、恵比寿のアイデンティティであるビールだけでなく、長きにわたって築き上げられてきた街の食文化が感じられるイベントでもある。

2023年の渋谷氷川神社例大祭の様子。写真提供/恵比寿新聞社

ここで提供される「燻」は、4月に開業したヱビスブランドの体験拠点YEBISU BREWERY TOKYOで連日売り切れになるほど好評だったビール「煙々(えんえん)」の知見を活かし、秋冬向けにブラッシュアップしたもの。ブナ材で燻した麦芽を一部採用し、高温短時間仕込とヱビス酵母の掛け合わせにより実現した、ほのかにスモーキーで香ばしい味わいが特長の新しいヱビスだ。

9月から全国で発売になる「燻」¥800。スモーキーな香りが、秋の味覚との相性もいい一杯。

さらに、YEBISU BREWERY TOKYOで醸造された「Magic Holiday」も登場する。日没前に現れる幻想的な空 ”マジックアワー“のように、日常から“HOLIDAY”へと誘うベリー系のホップが香るレッドチェリーエールだ。特別なヱビスと恵比寿の飲食店による逸品メニュー、恵比寿の食文化を感じるこのイベントに、ぜひ足を運んでみてはいかが。

text: Michiko Inoue

YEBIS BEER HOLIDAY(ヱビスビアホリデー)

場所:恵比寿ガーデンプレイス
住所:東京都渋谷区恵比寿4丁目、東京都目黒区三田1丁目
期間:2024年8月23日~9月1日
営業時間:
平日 16:00~21:00(L.O. 20:45)
土日 11:30~21:00(L.O. 20:45)
入場料: 無料
参加方法:Webでの事前予約もしくは当日並んでの入場。
事前予約は、公式サイトの専用予約ページにて申し込みを。

https://www.sapporobeer.jp/yebisu/communication/beerholiday/

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