体の中から健康になる、洗練の韓国料理／NORAN「本日のケジャン」

韓国語で「黄色」を意味するNORAN（ノラン）。恵比寿ガーデンプレイス39階からの眺望を誇るエレガントな空間で、本格韓国料理が楽しめる話題のレストランだ。

「当店では薬膳のエッセンスも取り入れながら、健康を意識した韓国料理を提供しています」と話すのは料理長を務める小牧翔さん。15歳で料理の世界に飛び込み、和食を中心に修行。20代の頃はオーストラリアでイノベーティブな和食料理にも挑戦した。割烹料理の経験もある小牧さんが生み出す韓国料理は、本場の味をしっかり生かしながらも繊細な仕上がりが特徴だ。シグネチャーメニューの「本日のケジャン」は濃厚なカニの味を引き立てるため、調味料もオリジナルにこだわる。

ケジャンとは醤油漬けのカニ料理のこと。日本のカニに合うよう独自に開発したカンジャン（醤油）に1週間漬け込むと、カニのエキスと醤油がうまみの相乗効果を奏でる。

「同じズワイガニでもオスとメスでは食感が異なります。オスはよりとろみがあり、メスは少し繊維がある。メスは卵もあって濃厚なので、ビビンバに混ぜて食べるのもおすすめです」。

韓国料理はビビンバに代表されるように、“混ぜて食べる”文化があると小牧さん。「当店では、キムチやナムル、海苔の佃煮などを盛ったバンチャン（お通し）をお出ししていますが、これを料理のトッピングとして楽しむこともできます。肉や野菜につけて味の変化を楽しんだりエゴマの葉やサンチュで包んで食べたり。テーブルの上で料理を完成させるのが韓国料理の醍醐味と言えるでしょう」。ノランでは韓国料理の肝となる調味料、ジャンもすべて自家製だ。「トウガラシの合わせ調味料コチュジャン、濃厚でスパイシーな出汁味噌のサムジャン、甘みの強いチュンジャン、茹でた豆をすり潰し発酵させたテンジャン、肉や野菜を煮詰めたカンテンジャンなどすべて一から作っています。キムチに代表されるように、発酵食品が食文化のベースにあるのは日本と共通していますね」。

厳選した食材により体の中から健康になることを目指したノラン。韓国の代表的な薬膳料理、タッカンマリ（鶏肉を白キクラゲやネギ、ケシの実、松の実などと一緒に丸ごと炊いたもの）やカムジャンタン（豚肉の鍋料理）などもボリュームたっぷりで人気が高い。健康に意識の高い女性やファミリー、周辺のビジネスパーソンまで、恵比寿の人々の舌を唸らせる本韓国料理をぜひ味わってみてほしい。


text: Junko Kubodera
photo: Taro Oota