恵比寿の過ごし方

南欧の雰囲気漂う空間で作る、世界にひとつだけのフレグランス/SHOLAYERED

「香りをレイヤード(重ねづけ)する」という、新しいスタイルと楽しみ方を提案したいとの思いから、2013年に誕生した日本発のフレグランスブランド「SHOLAYERED(ショーレイヤード)」。

数あるSHOLAYEREDの店舗の中でも、恵比寿駅から徒歩約3分の場所にある本店は世界にひとつだけのオリジナルフレグランスを作ることができ、ここでしか味わえないドリンクやフードを堪能できるカフェ「SHOLAYERED CAFE」も併設している。

「屋根裏部屋」で華やかな香りと過ごす心地よい時間

香水ボトルのシルエットがデザインされたシンプルな看板が目印。

2021年にSHOLAYERED初の路面店として恵比寿にオープンした本店の1階には、香水やボディスプレー、キャンドルなどのフレグランスグッズがずらり。大小の丸いライトで照らされたルームディフューザーから漂う、メイドインジャパンの繊細かつ華やかで心地のいい香りが出迎えてくれる。

香水やルームディフューザーなどが並ぶディスプレイの奥には、ビルの2階に続く内階段が。

階段を上った先のドアを開けると、テラコッタ色の屋根にぐるりと囲まれたスペースが目の前に現れる。コンセプトは「南ヨーロッパに住まう〈屋根裏の調香師〉」。この非日常空間で楽しめるのが、世界にひとつだけのオリジナルフレグランス作りと、〈屋根裏部屋〉で味わえるカフェメニューの数々だ。

まるで、高い位置にある屋根が目の前に現れたような、不思議な感覚に包まれる。テラコッタ風の「屋根」に、白い木枠の窓がアクセント。
調香スペースには、定番から恵比寿の本店限定のものまで、さまざまな香りのボトルが並ぶ。写真奥の〈屋根〉の中はカフェスペース。

香りはもちろんパーツも選べる、特別なフレグランス作り

本店を訪れる人の多くが目当てにするほど人気なのが、好みの香りをブレンドしてオリジナルを作ることができる「フレグランスデザイン」。

形状の異なるボトルのほか、コットン、レザーなど素材の異なるラベル、色や材質違いのキャップ、ポンプから、好きなものを選んでフルカスタムできる。

「ボトルやキャップの形状や、ポンプ、ラベルの種類まで選べるのは当ブランドならでは。SHOLAYERED直営の各店舗で行っているサービスですが、恵比寿の本店は選べる香料の種類を他店より多く取りそろえ、液体に色を施すこともできるので、〈推し〉をイメージした特別なフレグランスを作られる方も多いですね」と話すのは、カスタマーサクセス兼デザイナーの八巻旺志さん。

恵比寿の本店では11種類から選べる色をフレグランスに施すこともでき、濃淡の調整も可能。
フレグランスを入れるパーツを選んだら、香りの調合へ。

約20種類(在庫状況により変動あり)の中から、自分好みの香料を数種類選んでブレンド。SHOLAYEREDの定番は、洋梨の甘くフルーティな香りの〈フレッシュペア〉と、柑橘の爽やかさとジャスミンのフローラルな香りを併せ持つ〈ベルガモットジャスミン〉、甘く芳醇な白ブドウの香りが広がる〈シャンパン〉。どこか切なさが感じられるノスタルジックな金木犀の香りの〈オスマンサス〉や、華やかで上品な落ち着きのある〈ローズブーケ〉といった本店限定の香料も。数種類組み合わせることで、香りに厚みと奥行きが生まれる。

ベースフレグランスを染み込ませたムエット(紙)で確かめながら、好みのものを選んでいく。

「香りを選ぶのが難しい場合は、イメージをお伝えいただければ、こちらからご提案することも可能ですので、お気軽にご相談ください」と話す八巻さん。

〈屋根裏部屋の調香師〉のイメージそのままの調合スペース。フランスから取り寄せたアラベスク模様のタイルが、異国情緒を醸し出している。
調合した香りの一覧をまとめたレシピシートもセットで受け取れる。ラベルには、日付や名前など、好みの文字を刻印可能。

洋服やファブリックなどにつけて楽しめるオリジナルフレグランス作り「フレグランスデザイン」は、事前予約が必要。予約方法や料金の詳細などはオフィシャルサイトで確認を。

香りにインスパイアされて誕生した「フレグランス ノンアルコールカクテル」

カフェを併設している恵比寿の本店では、人気フレグランスの香りを再現したドリンクやフードなど、こだわりのメニューを提供している。

心満たされる香りに包まれながら、ドリンク、パフェやスムージー、サンドイッチなどとともに、ゆったりとしたティータイムを過ごせる。

〈旅と記憶〉がコンセプトの「フレグランス ノンアルコールカクテル」は全5種類。フレグランスプロデューサーであり、SHOLAYEREDを展開するセントネーションズの代表取締役、石坂将さんが、世界各国の都市を旅した記憶と香りを結び付けて生み出したメニューだ。

ポーランドの首都名がつけられた「ワルシャワ by ロゼマスカット」は、ローズペタルの華やかさとともに、爽やかなテイストが味わえる。モロッコの旅の記憶から生まれた「カサブランカ by ホワイトムスク」(奥)は、グアバとピニャコラーダの甘さに、ほどよい酸味と独特な香りが重なる。

「SHOLAYEREDのユニークさを形作る要素のひとつが、食や飲料と香り(香水)を結び付けていくこと。たとえばSHOLAYEREDの定番人気の香りに〈オリーブウォッカ〉や〈シャンパン〉がありますが、これらはお酒からインスピレーションを受けて作ったもの。逆にSHOLAYEREDの香りのラインナップをドリンクで表現したらどうなるだろう?と試行錯誤して開発したのが、『フレグランス ノンアルコールカクテル』です」と話す石坂さん。

2012年にセントネーションズを創設し、数多くの著名人、スポーツ選手や、ブランドとのプロデュース商品などを手がける石坂将(しょう)さん。

ビル内の空間を、屋根裏をイメージした内装にするアイデアも石坂さん発だ。店舗として使用するには天井が低めの2階スペースだが、かえってそれが屋根裏にある秘密の部屋に上っていくようなワクワクする感覚に近いことに気づき、「南ヨーロッパに住まう〈屋根裏の調香師〉」というコンセプトが誕生したのだそう。

「ネガティブに捉えられがちな要素をポジティブに変換させて、低めの天井を生かす内装を考えました。この本店を皮切りに、内装に屋根や瓦のモチーフを取り入れるのがSHOLAYEREDの路面店のひとつのアイコンになっています。図形や記号の組み合わせでブランドを表現する〈モノグラム〉を現在制作中。重要なモチーフになっているのが、やはり瓦です。こうしてブランドの歴史を紡ぎつつ、新たな展開を進めています」と石坂さんは語る。

香りも店舗の歴史もレイヤードしながら進化しているのが「SHOLAYERED」の魅力のひとつと言えるだろう。

「『香る』を『幸せ』に替えて、香水は『幸水(こうすい)』という考え方もできると思うんです。香りは心が華やいだり、自己肯定感が高まったりするきっかけになるもの。そういった観点で、香りを楽しんでもらえたらうれしいですね」

text: Noriko Sasaki
photo: Takuji Iigai

SHOP INFO

SHOLAYERED 本店

日本発のフレグランスブランド「SHOLAYERED」の本店。1階は物販、2階は「SHOLAYERED CAFE」と、予約制のオリジナルフレグランス作り「フレグランスデザイン」が体験できるスペース。カフェではここでしか味わえない「フレグランス ノンアルコールカクテル」のほか、スムージーやホットサンドなどを五感で味わうことができる(カフェを併設しているのは、恵比寿本店と京都ねねの道の2店舗)。

場所:東京都渋谷区恵比寿西1-16-2恵比寿フラワーマンション
定休日:不定休(Instagramに掲載 @sholayered_official)
営業時間:11:00~18:30 
電話番号:03-3780-0825

店舗詳細: https://sholayered.jp/

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